INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2010年、トンガホーエールスイム2日目、忍耐の1日

2010.08.12 / Author.

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初日の追記。
昨日の親子とエスコートの状況を、トニーとエミさんと確認し合った。
僕が最初に確認したときは、この親子とエスコートの他に2頭のオスが一緒にいて、ヒートラン状態だった。このとき,僕は船上から見ていて、子どもの母親は、身体全身が黒い方が母親だと思っていた。
しかし、オス2頭が離れて、3頭になってから、同じ場所をグルグル旋回しはじめたので、水中で泳げそうだと思い、エントリーしてみた。激しく泳ぐ3頭を水中で確認したときは、白い体色のクジラが子クジラを黒いクジラから守っているように、鼻先で押していたり、とにかく、最初確認したのと違い、白い個体が、母親、黒い個体がエスコートのような行動を取っていた。
トニーが入ったときも同様だった。
それからしばらくして、エミさんのグループがついたときには、3頭が穏やかに泳いでいたのだが、子クジラは黒い個体の方に付き従っていたそうだ。
この3個体の関係性で、親子とオスのエスコートという事以外でも、こんな風に考えることが可能かもしれないと思った。考えられるのは、大人の個体はどちらもメスで、子クジラはもしかしたら,黒い個体の子どもだったのかもしれないということ。そして白い方のクジラが何らかの理由で子クジラを、母親から奪おうとしていたのではないかということだ。
個体の性別は確認できていないので、迂闊な事は言えないが、明らかに過去に出会った、親子とエスコートの通常の行動とは異なっていたし、最初は黒い個体に子どもがついていたのに、それを奪うように白い個体が子クジラを鼻面で押しまくっていた。道理で、僕らにぶつかりそうになるのも気にしないで、子クジラを前へ前へと促していたわけなのかと考えてしまう。
そして、最後に穏やかになったときには、黒い個体付き従う子クジラの姿が確認されていた。奪い合いに疲れ果てた白い個体は、そのあとをエスコートのように着いていっていたのではないか。
あくまで憶測なので、今日以降、また同じ個体が見つかったら、性別など色々な事を調べてみなければいけない。
2010年トンガホーエルスイム2日目、忍耐の1日
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8月11日水曜日、快晴、しかし、南東からの風が強い。昨晩夕食をチャイニーズレストランで取り、皆と別れてネットカフェでメールをチェックしてホテルに戻ると、鍵が無い。どうやら、食事の時にインキーしたままでかけてしまったようだ。時間は9時過ぎ、すぐにフロントにスペアキーを借りに行ったが、すでに誰もいなかった。。。さすがトンガ。
しょうがないので、隣の部屋の宴会に参加、そのまま、その部屋のゲストに頼んでそこで寝かせてもらった。2人で使用している部屋だったのだけど、部屋には3っつベッドがあって助かった。
朝早くに起きて、フロントに行き、スペアキーを借りて、やっと部屋に戻る。
朝食を食べて、出発の準備をしてジェティーへ。すでに、僕の乗船するフルークは到着していて、皆も船に乗り込んでいた。
予報どおり、風が強い。一番小さな3人乗りのフルークでは、風を避けてエリアしか捜索は困難だった。
風裏となる、フンガ島の外洋側から捜索を行なう。早々にペアを発見するが、移動が激しい。しばらく追跡して、ホワイトパッチの崖付近に来ると完全な風裏となり、海が穏やかになったので、まだ移動を続けるそのペアにトライしてみることにした。
しかし、船を近づけると方向転換したり、深く潜ってしまったり、スピードを上げたりと、接近するのをかなり拒んでいるようだったので、そのペアを諦めてノースベイへ船を移動した。
湾全体を数十メートルもある断崖絶壁が覆っているこのエリアは、南西の風の場合は、完全に風裏となるため、他のエリアが荒れているにも関わらず、べた凪状態。「ここで出ればいいんだけどな」といつも思うのだけど、まったくクジラのいる気配は無かった。しょうがないので、ランチを食べてまた荒れたトンガシカの外側の荒れた海をクロッシングして、フンガ島の外洋へ移動した。
無線の調子が悪く、携帯もつながらないので、他の船からは孤立した状態だった。
しかし、しばらく行くとスパイホップに遭遇。無線で連絡を取り合うと、どうやらベルーガダイビングのボートが眠っているクジラと泳いでいて、その順番待ちをしているらしかった。
小型のフルークで、このコンディションで探せるエリアはもうほとんど無い。どれだけ時間がかかっても、今日はこのペアを譲ってもらえるまで辛抱強く待ち続けるしかないと決めて、船を島の近くに寄せて、待つことにした。
しかし、ベルーガは12人ほどのゲストがいて、3交代で海に入っているというので、とにかく時間がかかった。スパイホップのエミさんたちも、12時30分から順番待ちして、入れてもらえたのが、2時過ぎ。僕らは1時30分から待ち続けて、最終的にクジラたちと泳げたのは、3時40分。もう実際には、港に引き上げてなければいけない時間帯だった。
それでも、何度か入水して、このペアを撮影。それにしても、1頭は、水平に水中に留まって寝てるのだけど、もう1頭はテールを上にして、垂直に眠っている。あまり絵にはならない。
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海が荒れているので、僕は少し潜って撮影を行なったりしていた。
眠りから覚めて、移動する時に、一頭が、何度も大きく口を開ていた。何の行動なのだろうか。いずれにしても、子どものクジラが口を開けるところはたまに見かけるけど、成体がこんなに頻繁に口を開けるのはあまり見た事が無かった。
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何度か入水して撮影して、帰路につく。

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