INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2010年トンガ、ホエールスイミング20日目、皆が持ってきてくれた鉛筆

2010.09.02 / Author.

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8月30日(月)、トニーの乗船するプロティウスは、北に40キロ離れたトク島へ、フルークにはエミさんと伊藤さんが乗船。
僕は新しい日本人ゲストと、アメリカのTVクルーを出迎えるために、陸番。その他にも、ホテルへの支払い、ボートのガソリン代の支払いのチェックなどの雑務を行なっていた。
レストランのマーメイドは、僕らが利用している船の会社、セーリングサファリの隣にある。天井には、ここを訪れたセーラーや、ホエールウォッチングのゲストたちが、様々な国の国旗やTシャツなどにメッセージを書き残したものが飾られている。
以前はセーラーや観光客で賑わっていたのだけど、オンゴのパートナーのジョンが島を去り、オンゴが亡くなって、ノファがこの仕事から離れてからは、なんだか寂しくなってしまった。
それでも、昼間の天気の良いときに、この店でビールを飲みながらぼ〜っとしていると、初めてこの島を訪れて、一人でオンゴと一緒に海に出ていた頃の事を思い出した。
あの年は、本当に信じられないくらいに、クジラの数が多かった。「まるで大瀬崎でキタマクラを見てるようだ」とまで書いたくらいに、クジラが沢山いた。
オンゴと二人で、朝から夕方まで、ずっと同じ親子と一緒に過ごした事もあった。親子の傍らで、船を止めて、ランチを食べたり、昼寝をしたり。水面で、穏やかに眠っている親子をそっとしておいてあげた方がいいかなという、心の余裕みたいなものもあったし、色々撮影しても、まったく動かないので、代わり映えしないから、飽きてしまったという事もあった。
もし、初めて来た年が、今年みたいに、クジラを見つけるのが大変だったら、きっと日本からゲストを募ってはいなかっただろう。
あれから、7年。すでに、延べ300人以上のゲストが訪れて、一緒にクジラと泳いだ。100%全員にクジラと泳いでもらえているのも、正直、本当に運の良いことだと思う。だけど、今は3人ともオンゴやノファから、クジラに関して多くの事を学び、自分たちで見つけ出す方法や、いかにして、クジラを慣して、泳げるようにするかを身につけることができた。だから、こんな年でも、今のところ、全員にクジラと泳いでもらえているのだと思う。
4週目のゲストの中に、昨年クジラと泳ぐために、ルルトゥに行って、4日間、一度も海に入れ無かったという人がいた。1日2日は見られないとしても、まったく見せれないという不安は、こんなにクジラが少ない状況でも、正直感じない。
7年の間に、毎年の慣例のようになった事もある。それは、トンガの離島の子供たちに、消しゴム付きの鉛筆をプレゼントする事。4年前から、ゲストの人に、「荷物が重たいから、可能な人だけでいいので、1ダースだけ持ってきてください」と、毎年お願いしているのだけど、ほとんどの人が、それよりも多くの鉛筆を持ってきてくれている。
今年はノンジャパニーズグループの人の中にも、鉛筆だけでなく、筆箱や老眼鏡まで持って来てくれた人たちもいた。
初めてのゲストも、ほとんどの人が鉛筆を持ってきてくれるのが嬉しい。昨年は、元シニアボランティアでババウに滞在していた、歯科医師の女性に、離島を歯の検診で回る際に、鉛筆などを渡してもらった。
その人はもういないので、新たに赴任した,歯科衛生士の女性に、また同じように託して、離島の子どもたちに配ってもらうつもりだ。
その女性からは、来年は、「歯ブラシ」がいいかも、と提案された。とにかく歯ブラシの数が本当に足りないのだという。

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