INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2010年トンガ、ホエールスイミング27日目、今年最高の親子、子クジラ「HEART」

2010.09.12 / Author.

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9月9日、エミさんがガイドで出ると思っていたので、夜更かしして,朝はのんびりしようと思って眠っていたら、朝6時45分、携帯にエミさんからメッセージが入ってきた。「U go I stay」。。。。。。
まだ強風が続いているために、腰に爆弾を抱えているエミさんとガイドを交代することになった。僕は慌てて、準備をして朝食に出かけた。もう、今日見せられなければ、やばい。皆2日間水中でまともに見れていなくても、いらいらしたりしないで、「自然の事だから」と冷静に落ち着いていてくれる。そうは言っても心中は察することができる。だから、尚更見せてあげなければと思う。
ある意味、神頼みにも近い感じで、今まで見れた時の願掛けを全てすることにした。まずは、朝食にライスポンギポンギを食べる。はっきりしないけど、これを食べた日は、良いクジラが見れているような気がした。
出発の時には、i-podで音楽を聞き、探す時も、必死になって探さない。ゲストと無駄話をする。少し気を緩めて、リラックスする。ランチは早めに食べる。たまに、船の後ろ座席に座ってみる、などなど。そして、今年初めて、天国のオンゴに「どうか、彼らに良いクジラを見せてあげてください」と祈った。
午前中、他の船3隻が,親子とエスコートについていて、激しく移動していた。しかし、ほとんどのボートからの情報で、「今日はこの親子とエスコート以外に望みは無い」と連絡が入っていた。
ほとんどの船がその親子とエスコートに順番待ちのリクエストを出していた。でも、どう見ても、動き回っていて、まともに見れているようには見えなかったけど、僕らも、6番目にエントリーしておいた。要するにほとんど最後の番だ。
ところが、4番目の船の順番になった頃、2頭ついていたエスコートのうち、1頭が離れた。それと同時に、このクジラたちが、動かなくなった。しかも、荒れていないチャネルの中でだ。
4番目の船からの情報では、かなり状況が良いらしく、ゲストの中から、「もっと泳いでいたい」という意見が多くて、今度はなかなか譲ってもらえなくなっていた。そのために、その後に順番待ちしていた船でも、早めに出て来た船は、諦めて戻る船も出て来た。
しかし、僕らは他の船に比べて、かなり遅くスタートしている方だったのと、スキッパーのイッカが、「この状況では明日も見せれるとは限らないから、少しでも長く見せてあげる」と言ってくれていた。
かなり辛抱して、待った後、やっと順番が回ってきたのが、午後3時30分頃。エントリーしてみると、母親が上を向いて海中で止まっていた。エスコートは少し離れて、テールを上にして止まっていた。子クジラは、すでにかなり成長しているようだったけど、その母クジラに甘えるように、身体をすりつけている仕草がとても可愛かった。それに良くバブルを出していて、時にまるでハートマークのような形になることもあった。
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良く見てみると、子クジラのテールにもハートのような模様がついていた。
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しかも、2度目に入水した時には、エスコートが歌まで歌い始めた。つまり、親子とシンガーを一度に見れてしまったわけだ。
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他に待ってる船も無くて、イッカが5時まで泳いで良いというので、4時にエントリーしてから、5時まで何回でも入ろうと思ったのだけど、浮上してきてもほとんど移動しないので、結局1時間海に入りっぱなしで、クジラたちと一緒にいれた。
母親は,時に顔を上に,時にはテールを上にして、停止していた。エスコートは常に近くで歌を歌い続けていた。
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母親のテールが、あまりに水面に近いので、ちょっとだけ潜って撮影させてもらった。
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5時までたっぷり一緒に泳がせてもらって、結局1時間30分。ゆっくりと撮影することもできた。子クジラには、「Heart」という名前をつけた。
はっきり言って、あまり良い親子クジラのいなかった今年の中では、一番の親子だった。これで100%遭遇率継続!願掛けはしてみるものだな。オンゴ、どうもありがとう。

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