INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2004年トンガでのクジラ水中撮影6:群れが見たいな

2004.08.20 / Author.


天気は晴れ後曇り。今日は毛塚さんの最終日。デイビッドは今日も乗船したいと言っていたが、さすがに毛塚さんにとっての最終日なので、申し訳ないが遠慮してもらった。

しかし、毎度の事だが、この日も凄かった。スタートは10時30分と遅くなったが、まず切り立った島々の並ぶ西側に向かう。毛塚さんと二人して、「ここでブリーチングすれば、地形が特徴的でいいですよね」と話していたら、突然1頭のオス(No29)がブリーチングを始めた。ブリーチングは10回程続き、そのうち2~3回は良い写真が撮れた。

その後、Ava Pulepulekaiに移動。「群れが見たいな」と思っていたら、そこでメーティングポッドC(6頭No30~35)に遭遇。しばらく追尾。無線で連絡したホエールソングも加わり、2隻で追尾。先にこちらがエントリーさせてもらう。2度程エントリーし、1度目は2~3頭一緒の水中写真が撮れたが、2度目は、クジラたちが向かった方向と逆に移動してしまい、水中で見れなかった。
Luamoko島を挟んで、2隻で追尾を続ける。次にホエールソングのゲストが4人入水。その後 Hunga島沿いに移動する群れに向かって2人でエントリー。水中で見ることはできたが、あまり良い写真は撮れなかった。しかし、水底の方を泳ぐクジラが、エアを吐き出し、ブルーウォーターにバブルがさーっとカーテンのように海底から登ってきた。僕はそれを撮影しようとしたのだが、毛塚さんも撮影しようと近付いているのかと思ったら、そのまま両手をのばしてバブルカーテンの中に突っ込んでいった。どうやら、クジラのバブルにまみれたかったらしい。その様子が子どものようでおかしかった。
追尾を諦め、ランチ。その後別の個体を探しに行くことにした。その時に「次は親子ですかね」と冗談を言い合っていたのだが、Nuapapu島とKitu島の間を抜け、Luakapa、Oto、Ava島に囲まれた穏やかな場所で、なんと親子(親子E,No36,37)を見つける。水中に留まっているので、一度潜水したところをスノーケルで接近して、水面で待つことにした。最初に子どもが浮上。かなり成長していて、体色が黒い子だった。接近して子クジラを2~3カット撮影、一応下にいる親を気にしていたのだが、透明度が悪く、どこにいるのかわからなくなってしまった。しかし、ふいに、下から勢い良く母親が水面に向かって浮上ししてきたかと思うと、僕の目の前でブリーチングをした。あまりに近かったので、水面で水しぶきを浴びてしまった。2度目があると危ないので、さすがに後ずさりしてし、毛塚さんと顔を見合わせながら、喜びと興奮で高笑いしてしまった。まさか水中でブリーチングシーンを見れるとは思わなかった。
結局、この親子はホエールソングに譲り、別のクジラを探すことにした。何やらオンゴが別のボートと無線でやり取りしている。前の日に救助に来てくれたホエールウォッチババウのボートだ。どうやら、僕が8/16に会った親子C`だとオンゴが言った。前についていたエスコートは見当たらないらしい。Euaka島近くで泳いでいるようなので、しばらく離れて見ていたが、2時30分にこの親子クジラを譲ってもらった。この親子に何度も入水。人慣れしていて、撮りやすい。
毛塚さんは一度など、移動を始めた親子の母親のペクトラルフィンにぶつかりそうなくらいの距離まで接近してしまって(本当は8m以内に近付いては行けないルールになっている)、「危ない!ぶつかる!」と思った瞬間、母クジラがうまくフィンを動かしてギリギリで避けていた。僕にとっては、そのシーンが今回一番興奮した瞬間だった。ちなみに毛塚さんはそんなに近付いたにも関わらず、興奮していてシャッターが切れなかったそうだ。
何度かフィルム交換をするうちに、ボートの上で、「こんだけ思っている事が実現するのなら、今度はイルカの群れか魚の群れと一緒に泳いで欲しいですね~」とか冗談言っていたら、なんとゆっくり移動する親子の前にタカサゴの群れが集まっていた。子クジラは興味津々で覗きこみ、親子はその群れの横をゆっくりと移動していった。

こうなるともう、自分たちでも恐いくらい、思った事が実現することに、二人してびびりまくっていた。この日、かなり遅く、5時過ぎまでこの親子を撮影し続けた。毛塚さんが最終日なので、最後は一人で入ってもらって撮影してもらったりした。暗くなってきたので、港に引き上げた。毛塚さんには最終日だが、僕にはまだ9日間程日程が残っている。フィルムの心配があったので毛塚さんからフィルムを譲ってもらった。
毛塚さんがトンガを出発し、2日後にトニーが合流、一人で乗船した時も含めて、9日間のうち7日間海に出る。そのうち、最終日以外は毎回クジラの水中撮影に成功した。トニーは信じられないといった感じだった。今回、船上、および水中で遭遇、あるいは撮影した個体に、個人的にNoを付けて、何頭見れたかを記録していた。結果、同一個体と認識できたものは同じ個体Noを付けて、その数は70に達した。これは船上の場合はかなり接近できたもの、撮影できたものに限っているので、距離が離れた場所でのブリーチングやブローを確認したものに関してはカウントしていない。水中だけでも約50個体以上に遭遇した。

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