INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2006年トンガホエールスイム1st week  2,3,4日目 毎日親子クジラに遭遇

2006.08.02 / Author.


1st week 2,3,4日目の状況を一挙に紹介。4日間連続で水中でクジラに遭遇することができた。写真は4人乗船のスパイホイップツー

2日目
今日も昨日ほどでは無いけど、東北東風は強い。今日は僕が4人乗りのSpyhop too、トニーとトニーの奥さんのエミさんが2人乗りのFlukeに乗船して、クジラを探す。4人乗りのキャプテンはオンゴ。毎年僕のガイドをしてくれる熟練のトンガ人ガイドだ。今日も西の出口から出て、北の湾を目指す。ノーファ操船のボートは西の出口から南へ。僕らよりも先に沢山の船が出ていたが、クジラは探せていない様子。北の湾も探したがいなかったらしい。それでも、北へ。
で、行ってみると、しばらく辺りを見回していたオンゴが、「あいつらはどこ見てるんだ、昨日と同じ場所に親子がいるじゃないか」と言って、船のスピードを上げ始めた。接近すると、確かに母子クジラが水面に浮かんでいた。昨日と同じ固体かと思ったが、どうやらエスコートの大きさが半端なく大きい。今まで見た個体の中でもかなり大きいほうだろう。どうやら親子も違う個体のようだった。エントリーして接近してみる。静かに浮かんでいた親子の子供の方は、こちらにテールを向けている。しかし、しばらく撮影することができた。ちょっとすると母親が面倒がって、少し位置を移動した。再度エントリーしてみると、今度はエスコートがかなり強引に邪魔にはいる。親子を撮影するよりも、エスコートを撮影した方が良さそうだったので、狙いを変えた。と思ったら、エスコートの向こうにバショウカジキが!僕はクジラを無視して、バショウカジキに向かっていった。ゲストは、僕が変な方向に泳いでいくので、何をしているのか不思議に思ったらしい。
エスコートは警戒心が強いけど、泳げそうなので、無線で2人乗りの船に連絡を入れて、もしそちらに泳げそうなクジラがいなかったら、こちらに来ればと伝えた。しかし、その日は他のボートもまったくクジラを探せないらしく、しばらくすると、数隻のボートが集まってきた。しょうがないので、全てのボートに1度づつ泳ぐチャンスをあげることにして、ランチを食べる。他の船や2人乗りの船全部が水中でクジラを見終わってから、またそのクジラたちを譲ってもらって、水中での撮影を行う。やはり、親子狙いというよりは、エスコート狙い。それでもかなりよい写真が撮れたと思う。この日は1日中、この親子とエスコートの側にいた。

3日目
今日は、風もかなり収まって、南や東のエリアまで探しにいけるようになった。今日はボートが6隻ほど出ている。そのほとんどが、昨日の北の湾に向かったようだ。今日は僕は2人乗りでノーファがキャプテン。皆北に向かっているようなので、東と南に向かってみることにした。しかし、しばらくはブロー一つ見つからない。やはり北なのかなと思ったそのとき、何個かのブローを発見。しかし、親子ではなく、大人のクジラたちだ。大人と泳げるチャンスも無くはないが、やはり親子が一番可能性が高い。
またしばらく探すと、南西側の外洋側の島の近くのリーフ、風裏で穏やかな場所でクジラの親子を発見。他の船は皆北の湾にいるので、見つかっていなかったようだ。かなり岸近くにいる。よく見ると、初日に、一番最初に見つけた親子だった。母親が神経質だったが、少しは落ち着いたようで、水中に入ってみることにした。
海底は、素もぐりで、着きそうなくらい浅い。その浅い海で母親はテールを上にしてね、休んでいた。その周囲を子供が元気に泳いでいる。かなり好奇心が旺盛なようで、僕らを確認すると、接近してこようとした。しかし、母親は神経質で、子供が接近してきたら、まるで「そっち行ってはだめ!」って感じで、子供をつれて泳ぎ去ってしまった。それでもまた近くに止まったので、再度エントリー。また子供が嬉しそうにこっちに泳いでこようとしたのを見た母親が「だめっていってるでしょ!」ってな感じで連れ去ってしまった。今日も無線で4人乗りの方に連絡し、なんとか泳げると伝える。
向こうも一度だけエントリーしてみた。交代でエントリーしようということになり、次にまた僕たちがエントリー。その瞬間、子供がブリーチングを始めた。透明度が高かったので、ちょっと離れていたけど、子供がブリーチングする直前の様子を水中で撮影することができた。その後は警戒心の強い母親が完全に移動を始めたので、4人乗船の方は追うのをあきらめて別のクジラを探しに南へ移動を始めた。僕らはしばらく同じ親子を追跡。すると親子でブリーチングを始めたので、ボート上から撮影。その後は、しばらく他のクジラを探すが、大人のクジラしか見つからず、接近してもすぐに水中に入ってしまってなかなか上がってこなかった。ということで、3日目はこれで終了。とにかく、3日連続で水中で親子やエスコートの撮影に成功している。明日はコンディションもさらによくなるらしく、クジラが見つかれば、水中でも船上でもよい写真が撮れそうだ。

4日目
1週目の最終日。天気は良いのだが、昨日よりも東北東の風が強く吹いている。今日は僕とエミさんが4人乗り、トニーが2人乗りのガイドを努める。今日は9~10隻もの船がホエールウォッチングを行っているという。最初に南東をチェックしに行くが、波が高く、すぐに昨日と同じように南の島影一帯に移動して、クジラを探すことにした。何回かブローを確認するが、どれも大人のカップル。しかもあまりこちらに興味を持っていない。すぐにテールアップして深く潜っていってしまう。
何の成果も無いままに、初日と2日目に親子と泳いだ北の湾まで移動してみる。船はまったくなかったが、クジラの姿も見あたらなかった。仕方なく高い断崖絶壁の近くで風の当たらない場所に移動して停泊し、ランチを食べてスノーケルをして時間を潰す。午後1時、またクジラを探すために移動を開始。沖でヒートラン(1頭のメスを数頭のオスが追いかけている)に遭遇するが、とにかく波が高い。エントリーできる状態ではなかったので、しばらく追走したが、ブリーチングもテールスラップもしないので、諦めて別のクジラを探すことに。
しばらくは何も見つからない。やっと昨日親子と泳いだ辺りで、ブローを発見。もうこれが今日のラストチャンスかもしれない。今回の中では一番クジラとの遭遇が難しい日だ。とにかく、今日で最後の人に水中でクジラを見せてあげたい。そう思いながら接近するが、これも大人2頭だった。一度入るとかなり長く潜行している。しかし、場所が浅く、海底が見えそうなので、同じ場所に浮上してくるようなら、入ってみて水中を探してみようということになった。
しばらくしてクジラたちが同じ場所に浮上してまた海中に潜って行った。僕らはどの辺かを確認すると、クジラのいた辺りに向かって泳ぐはじめた。船上ではオンゴとエミさんがどちらの方向かを指示している。その指示と水中とを確認しながら、泳いでいくと、「いた!」海中に動かないでじっとしている2頭の大人のクジラを確認できた。両方ともそれほど大きな固体ではない。もしかしたら両方オスかもしれない。
真上までくると、ヒレが白くて目立つクジラの方が少しづつ移動しながら浮上をはじめた。上から見ると全身黒い方はその下にいて、同じように移動を始めた。僕たちは移動するクジラに合わせて、置いていかれないように、泳ぎ始めた。白いヒレの方がかなり浮上してきてくれたので、何カットか撮影することができたが、僕らを気にしてか、どんどん移動を続けた。一度白いヒレのクジラの方が水面まで浮上したものの、もう1頭はそのまま潜行を続けたまま、どんどん僕の視界から深い海の中へと姿を消してしまった。その間、僕は全力で泳ぎ続けたが、見失ってから、後ろを振り返ると、誰も付いて来れていなかった。まあ、そうだろうとは思っていたけど。
結局、この日は水中でのクジラとの遭遇はこれだけ。2人乗りの方も何とか最後の方で、別のボートからクジラを譲ってもらって、親子を撮影することができた。ということで、今日はちょっと厳しかったけど、両方のボートが4日間の全日程、水中でクジラと遭遇することができて、1週目は終了した。次の週、風が収まってくれることを願いたい。

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