INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2007トンガホエールスイム・初日からクジラと水中遭遇

2007.07.24 / Author.

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7月24日、ホエールスイム初日。早朝5時頃、土砂降りになったらしいのだが、僕はまたく気が付かずに爆睡していたようだ。10時過ぎ、オンゴキャプテンのフルーク号で海へ出る。出発した直後は曇っていたけど、次第に晴れ間が見えてきた。最初は南の外洋サイドでクジラを探す。透明度が高く、ここでクジラが出れば最高なんだけど、と思ってはみたものの、まったくブローが見当たらない。

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代わりに、大きな鳥山を発見したので、早速フィッシング開始。今回、一緒に来ている、水中写真家の豊田さんは、大の釣り好き。家族で釣りの番組に出たこともあるそうだ。クジラを撮影に来たはずなのに、初日出だしから、嬉しそうに釣りを始めた。
僕は、その間にもクジラのブローを探すが、なかなか見つからない。魚も小さなカツオが1匹連れただけで、リリースした。結局外洋での釣りもクジラも諦めて、島と島に挟まれた海峡の中に向かう。すると、あちこちでブローが上がってた。
外洋であれだけ探して1つもブローが見えなかったのに、この海峡に入った途端に、ブローだけで6~7個体はいるのが確認できた。どうやらペアが多そうだ。昨日、海に出ていたもう一人のキャプテン、ジョンの話では、まだ親子は今シーズン1組も見ていないとのこと。それに水中での撮影どころか、水中でクジラを見た人もまだだれもしていないとのことだった。
クジラは沢山いるのだけど、警戒心が強く、あまり近寄らせてくれないらしい。僕らはその中でも一番活発に動いているペアにターゲットを絞って、接近。ボート上からは様々なパフォーマンスを撮影することができた。しかし、やはりなかなか止まってはくれない。
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業を煮やしたオンゴが、「クジラの進行方向の前に、お前らを落とすからな」と言って、並走していた、クジラのペアの前にボートを滑り込ませた。「今だ、タカ、いけ!」という合図とともに、海へ滑り込む。
海底が見える深さ。これなら通過してくれば少なくとも目視はできる。そう思いながら、待っていると、2頭のクジラがこちらに向かってきた。これなら、撮影できる。そう思った僕は、クジラに向かって素潜りを開始していた。豊田さんも僕の後に続く。クジラたちが泳ぎ去るまでの間に、10数カットを撮影。
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僕らを確認したオスのクジラは、僕らを牽制するような仕草を見せつつ、メスのクジラをガードしながら、泳ぎ去っていった。
その後、このクジラたちをしばらく追跡していると、だんだんと他のクジラたちが合流して、5頭の群れになった。激しく逃げる最初のペア。それを追うように3頭のオスが加わり、ヒートランが始まった。またもや「前に回りこむから入れ」とのオンゴの指示で入水するものの、なかなか姿を確認するまでにはいたらなかった。
結局ヒートランのクジラたちをあきらめて、何故かこちらがヒートランにチャレンジしている間にも、ず~っとテールを上げっぱなしで、寝ている若いクジラを発見。オンゴの「ちょっと離れた場所で落とすから、ゆっくり近づけ」という指示で、豊田さんと一緒に近づいていくと、テールを上に、顔を真下に逆立ちの状態で動かないクジラの姿が見えてきた。最初は「もしかして死んでたりして・・・」と思ったのだけど、さらに接近すると、僕らの存在に気付いたのか、急に水平になり、僕らの様子を伺いに正面から接近してきた。
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「そのまま来い!」と思って身構えていると、きびすを返して泳ぎ去ってしまった。その後も何頭かのクジラにトライするが、水中には入れず。終了することに。それでも、「おそらく、今シーズン水中でクジラを見たのは初めて」と言われた。水中でクジラを見た数は合計5個体。船上からは、10個体以上。そのほとんどがペアだった。どうやら交尾をしようとしているらしい。
初日、クジラと泳ぐための、身体と精神慣らしには適度な遭遇状況だった。ただ、親子が見つからない。まだ、親子が増えてくるには多少時期的に早いのだろう。それ自体は予測していたことではあるのだけど。

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