INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2007トンガホエールスイム、垂直に眠る妊娠クジラ

2007.07.26 / Author.

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ホエールスイミング2日目、天気は晴れ、昨日は多少強く吹いていた東風も収まってきていた。今日はまず東側のリーフエリアで親子を探す。「今年初の親子を一番に見つけ出して撮影して、皆に自慢しよう」というのがオンゴの意見。

しかし、やはり親子は見つからない。それどころか、昨日同様まったくブローが見当たらない。結局昨日と同じ海峡のエリアへ移動。するとまたあちこちでブローが上がっていた。すでに、何隻かのウォッチングボートが、何頭かのクジラについていた。
僕らは、ゆっくり海峡の中を移動していく。すると、昨日カップルを見つけたエリアで、同じカップル+新たに1頭が加わって、3頭で一緒にいるクジラたちを発見。よっぽどここが気に入っているのか、相変わらず同じエリアで留まっている。
昨日は、単に交尾をしようとしているカップルだと思っていたのだけど、もしかしたら、メスの方は妊娠しているのかもしれなかった。であれば、昨日のちょっと変な行動も理解はできる。しばらくは、この3頭を追跡。途中何度か入水して、3頭一緒の写真を撮影したりはしたのだが、なかなか止まってはくれない。
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その時、昨日同様にテールだけを水面に出して、水面に対して垂直に眠っているクジラを発見した。「またおかしな行動をしてる。でもまったく動いていないから、昨日同様にゆっくり接近してみろ」とオンゴに言われ、ゆっくり接近。
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かなり接近したところで、僕らに気が付いたのか、移動を始めた。豊田さんはその瞬間に潜ってかなり近くで撮影ができたようだった。僕は人絡みの写真が撮りたかったので、豊田さんがクジラに接近しているシーンを撮影した。
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ボートに戻ると、「もしかしたら妊娠してるんじゃないかな~。お腹がすごく大きいよ」と豊田さん。僕は上からだったので、あまりはっきり確認していなかったのだけど、しばらく様子を見ていたオンゴも「確かに、妊娠しているな」と判断。
僕も再度潜ってみて、確かに妊娠しているようだと思った。とにかく動きがおかしい。しかも一度潜ってもすぐ近くに浮上してくる。前にも明らかに妊娠しているクジラを見たことがある。ほとんど息も絶え絶えといった感じでぎこちなく泳ぎ、潜ってもすぐに浮上してきてしまう。
お腹の中に子供がいると浮力がついて長く潜っていられなくなるのだろうか?前にテールを上、顔を下にして、水面に対して垂直になって休息するクジラは何度か見たことがあるけど、完全にテールだけを水面にプカプカ浮かべて浮いているクジラは初めて見た。オンゴもこんな格好で休んでいるのは初めて見たといっていた。
妊娠しているとわかった後からは、素潜りして無理なアプローチするのはやめて、水面に静かに浮いて多少距離を置いて近づくだけにした。何度か入水を繰り返すうち、無理な接近をしないで撮影していると、まったく動じなくなってきて、撮影可能な範囲まで近づいてもすぐには移動しなくなった。
子クジラが生まれるとしたら、きっと次の満月まわりだろう。この妊娠クジラを撮影しておいて、生まれた子供と一緒の写真が撮れたら、と思う。疲れたのか、ほぼ同じ場所で潜行しては浮上、潜行しては浮上を繰り返すので、ボートに戻ることにした。
人間の妊婦も、適度な運動は必要だけど、過度な運動は身体に悪そうだしな・・とかちょっと思ってみたりもしたけど、クジラも同じなのかどうかはわからない。スイミングを終える時間帯には早かったけど、その後は、ボート上から観察することにした。
しばらくすると、また同じようにテールだけ出して、身体を休めだした。
「そろそろ休息が必要だな。今日はこれで終わりにしよう」とオンゴが言って、僕らもそれに同意して帰路に着い

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