INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

7日目、エンジントラブル

2007.07.31 / Author.


今日は、フルークに乗って3人(トニー、豊田さん、僕)で海に出る。キャプテンはノーファ。まだ、今年はどのボートも親子のクジラを発見していない。昨年は7月25日には確認しているし、その前の年も、3年前も、おそらくこの時期には親子クジラが目撃されていたはずだ。今年はさっぱり姿が見えないということは、まだ生まれていないと考えるしかないだろう。


今日(30日)が満月。この満月まわりで子供が生まれていることを期待しつつ海に出らのだが、昨日や2日前同様、ほとんどのクジラがダイビングコンペティションを行っていた。

遠くでブリーチングを行っているのは何度も目撃したのだけど、近づくとやめてしまって、深く潜ってしまう。まったく成果なし。この日クジラで興奮したのは、遠くにいたクジラがテールスラップイングを、何度も繰り返していたのを見たことだけだ。遠くて、しかも他のボートがついていたので、接近することもせず、眺めていたので、回数を数えていたんだけど、連続で33回もスラッピングをしていた。近くにいたら、きっと良い写真が撮れていただろう。まあしょうがない。

良いクジラはいないので、海になかなか入れないのだけど、あまりにも暑いし、クジラもいないのに、3人で海に入ったりして、お互いを撮影していた。
午後になって、さっきテールスラッピングを間近で見ていたボートが、クジラが側にいないのに、まったく動いていない。なんだか妙だなと思って接近すると、どうやら、エンジントラブルらしく、無線も使えない状態だという。ボートはかろうじて外洋手前のリーフにアンカーをかけて止まっている状態だった。そいれでも、外洋側に向かって風が吹いていて、少しづつ流されているような気配だった。
しかし、なんとか同じ会社ボートが救援に向かっていると、フランス人のアシスタント女性が言うし、ゲストがいるにも関わらず、「もうこの船見捨てて、そっちに移りたいわ」みたいなこと言ってるから、まあ大したこと無いのだろうと思って、「じゃあ、迎えの船が来るまで、この辺でクジラ探しているよ」と言って、その場を離れた。
しかし、近くでクジラを探してしばらくいたのだけど、まったく救援のボートが来る気配がない。再度確認しに行くと、そのアシスタントの女性が「ゲストだけでもリゾートに送っていって」と懇願してきた。
僕らのフルークはスキッパーを入れて普通は5人が限界。ゲストの数は6人。僕らを含めて10人が小さなボートに乗り込み、リゾートを目指した。途中でゲストに事情を聞いたところ、すでにエンジンが止まって3時間くらい漂流状態だったらしい。しかも、一番船に詳しいスキッパーが船を放棄して、泳いで一番近い島に渡り、救援を呼びに行ってしまったので、誰もどうすることもできなかったそうだ。しかも、救援を呼べているのかどうかもわからなかったらしい。
そんなに深刻な状態だったのなら、最初から言ってくれれば、クジラ探しとかしないで、こちらの無線で救援を呼んで、もっと早くにゲストをリゾートまで運んだのに・・・。アシスタントの女性があんなこと言っていたし、それを聞いていたゲストも何も言ってなかったから、深刻な状況ではないんだろうと思ってしまった。
それにしても逆風の中、10人も乗って、移動するのは本当に時間がかかった。なんとかリゾートに送り届けると、ゲストの一人が、「何か飲み物をおごる」と言ってくれたのはいいんだけど、まだアシスタントの女性と、ガイドのトンガ人はボートに置き去りなわけで、そんな悠長なことは言っていられない。
僕らは、とにかく他の船などに無線連絡したり、色々してまた、その船のところまで戻ろうと思ったのだけど、そのときになってやっと救援ボートが向かっているとういう知らせを聞いたので、戻るのをやめて帰路に着いた。
結局、この日はまったくクジラを撮影できずに終わってしまった。

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